■黒い白百合 (くろいしらゆり)-説明 (2016年06月19日UP)
科学と魔法が併存する世界。科学文明国のひとつ、日之本帝国が舞台。古都府警の魔道犯罪対策課に、川端署から要領を得ない派遣要請が来る。
「ホンマは友達ちゃうやら、行方不明の娘さんは、幽霊やけど生きてはるやら、どないもそのー……アレや、そちらさんの管轄みたいなんやゎぁ」
川端署で、行方不明者の中身と第一発見者に事情聴取。
中身はここに居て、身体だけが行方不明。所持品は自室にある。
捜査中、新たな不明者の「中身」を発見する。発見場所には必ず、黒い白百合がある。
連続女性行方不明事件として、合同捜査本部が設置された。
古都府内で、初の「他害を目的とした魔道犯罪」らしき事件。
他課の刑事は未知の力を持つ犯罪者に怯える。
犯人の目的は何なのか、行方不明者の身体は無事、見つかるのか……
小説家になろうにも掲載しています。「黒い白百合」
■黒い白百合-主な登場人物 ※ネタばれあり
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【警察関係者】
- 三千院(さんぜんいん) 主人公……そう言えば、フルネームが出て来なかった。 魔力はないが、霊視力を持つ見鬼。
- 嵐山紅葉(あらしやま くれは)=鬼女紅葉(きじょもみじ)=課長 魔力はないが、霊視力がある見鬼。
- 鴨川静流(かもがわ しずる)=ホトケのカモさん 魔力はないが、霊視力がある見鬼。
- 大原(おおはら)刑事 古都府警川端署、生活安全課所属のベテラン刑事。魔力も霊視力もない。怖がり。
- 橘(たちばな)警部 古都府警、捜査一課の課長。連続女性行方不明事件合同捜査本部の本部長。
- 二本松(にほんまつ)刑事 古都府警、捜査一課の捜査員。魔力も霊視力もない。
- 神楽岡(かぐらおか)刑事 古都府警、捜査一課の捜査員。魔力も霊視力もない。
- 中大路(なかおおじ)刑事 古都府警、捜査一課の捜査員。魔力も霊視力もない。
- 河原(かわら)刑事 古都府警、捜査一課の捜査員。魔力も霊視力もない。地味に活躍。
- 江田英美(えだ えいみ) 19歳。古都春菜(ことはるな)女子大学の二回生。
- 備東安美利(びとう あみり) 21歳。古都市左区のコンビニ「フレンドマート川端病院前店」でアルバイトをしている。
- 柴田詩乃花(しばた しのか) 23歳。古都市左区、川端病院前の生花店「はぎや」勤務。
- 出口芽衣(でぐち めい) 24歳。古都市左区、川端病院の事務員。儚げな黒髪美人。
- 飯田珊瑚(いいだ さんご) 古都市西区の宝石店「三光照輝宝飾(さんこうしょうきほうしょく)」勤務。隣の市から通勤している。
- 普家絵冬(ふけ えふゆ) 23歳。会社員。下戸で酒は飲めない。
- 二谷代志華(じたに よしか) 20歳。古都大学経営学部の二回生。華奢な身体。
- 白神百合子(しらかみ ゆりこ) 古都大学四回生。卒業制作で、災害救助ロボを作っている。
- 巴経済(ともえ つねずみ) 魔力はないが、霊視力がある見鬼。
- 伏見(ふしみ)教授 古都大学魔道学部の教授。三千院の恩師。
- 梶井一真 76歳。古都市左区吉田上町在住の老人。
- 川端東マンションの管理人のおばちゃん 何故か、マンションの敷地に黒い白百合が生えてきた。
- 新月賛治(にいつきさんじ)部長 27歳。普家絵冬の上司。老舗企業の創業者一族のひとり。
- ヤマ 備東安美利の男友達。小心者。
- セノ 備東安美利の男友達。備東安美利に金を貸している。
- イオ 備東安美利の男友達。カネとオンナにルーズで、順法意識が低い。
- ベツ 備東安美利の男友達。備東安美利に金を貸している。
- サジ=〈匙〉 魔術士の国際連盟「蒼い薔薇の森」日之本帝国支部の係員。
古都(こと)府警、魔道犯罪対策課の刑事。
印暦(いんれき)2202年4月に配属されたばかりの新米。
霊視力があるから、と親戚の勧めで古都大学の魔道学部に進学した。魔力がない為、魔法の道具の仕組みを研究していた。
メーカーや専門の商社には就職せず、警察学校に進んだ。
卒業後の2年間、そんな能力や学歴とは無関係に、古都市内の交番で「普通のお巡りさん」として勤務していた。
三千院には、「一般的な魔術の知識」はあっても、実務の経験が少ない。
幽界に属するモノが視えるだけで、霊能者や聖職者のように、除祓や浄霊ができるわけでもない。
以前は魔物などを恐れていたが、現在は人間が一番恐ろしいと思っている。
古都府警、魔道犯罪対策課の課長。課が新設された際、課長とする辞令が出た。
捜査二課で勤続15年、数々の経済犯を挙げてきたベテラン刑事。
ハメられて吊った被害者等から、手口や証拠の在り処を聞き取り、入念な裏付け捜査の上で逮捕する。
嵐山紅葉が挙げた被疑者の有罪率は、ほぼ100%。
「鬼女紅葉(きじょもみじ)」と呼ばれ、詐欺師達からは恐れられ、警察や司法関係者からは敬われていた。
古都府警、魔道犯罪対策課の先輩刑事。
組織犯罪対策課から異動してきた。長身痩躯の中年男性。
風采の上がらない大人しげな外見からは、マル暴対応をしていたなどと、想像もつかない。
嵐山同様、霊視力はあるが、魔力はない。
こちらも、冤罪や証拠不十分で不起訴になる事件は、ほぼなかった。
逮捕した被疑者の服役中は時折、面会に行き、憑いている人々の言葉を伝える。
鴨川が逮捕した受刑者は出所後、精神を病んで元居た組織から破門されるか、足を洗って仏門に入るか、ふたつにひとつ。
「ホトケのカモさん」として、恐れられている。
捜査の初期段階で、魔道課の三千院と組んで、聞き込みのイロハを背中で語る。
魔力も霊視力もない。ベテランのおっさん刑事。
わりと冷静なおっさん。反射神経がいい。
せっかちなおっさん。
新人刑事。空気は読まない。
新人の中大路の面倒を割とみている。若者のノリについて行けないおっさん刑事。
【行方不明者】
大学付近のアパートに下宿し、古都市左区のコンビニ「フレンドマート川端病院前店」でアルバイトをしている。
色白の瓜実顔(うりざねがお)が、艶やかな黒髪に縁取られている。
小柄で華奢で、思わず守ってあげたくなる。やや古風な美人。
雪のように白い肌、対照的に闇のように黒い髪、小柄で華奢で、思わず守ってあげたくなるような美人。
但し、中身は相当に強(したた)かで、異性が居る場と同性だけの場では、別人のように態度が変わる。カネとオトコにルーズ。
同僚の江田英美は、備東を「性格ブス」と評している。
家族、親族は全員、古都府蟹岡市に住んでいる。
白百合を思わせる清楚な美人。今にも消えてしまいそうな、儚げな雰囲気。
実家で両親と同居。兄と姉二人は、結婚して家を出ている。父は長期の出張中。家族関係は良好。
大学時代の同級生と交際中。双方の親に紹介済みで、間もなく結婚予定。
【発見者その他】
小柄で、長い黒髪が印象的な和風の美女。
巴経済の婚約者。大学院卒業後、就職が決まったら、結婚する予定。実家同士が近所。
古都大学四回生。卒業制作で、水中探査ロボを作っている。
明るい茶髪の眼鏡青年。男前。身長180センチ。瞳は青みがかった灰色で、顔立ちも日之本人離れしている。
曽祖母(そうそぼ)が魔女。兄弟に【舞い降りる白鳥】の魔法使いがいる。
白神百合子と婚約中で、双方の家族に紹介済み。大学院卒業後、就職が決まったら、結婚する予定。実家同士が近所。
「野茨の血族」「汚屋敷の兄妹」などにも登場。
魔力を持たない学者の【碩学の無能力者】。
何故か、庭先に黒い白百合が生えてきて、近所で話題になる。
黒い白百合を気味悪がるが、好奇心が勝り、そのままにしている。
気味が悪いので引っこ抜いて捨てた剛の者。店子思い。
仕事の後で部下にステーキを奢るなど、太っ腹。
チャラく社会常識に疎いが、意外に堅実。捜査に協力。
「虚ろな器」に登場した〈匙〉先生。国立魔道学院に勤務する前は、ここで働いていた。