■13.ラキュス湖南地方 大陸部諸国(2021年01月24日UP)

【図1】ラキュス湖南地方 大陸部諸国 印暦2192年頃
ラキュス湖東地方 概略 印暦2192年の地図
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【図2】アミトスチグマ王国領の難民キャンプ 概略 印暦2193年頃
ラキュス湖東地方 概略 印暦2192年の地図
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 「すべて ひとしい ひとつの花」(外部サイト小説家になろう)に登場した国のみ。

地図の説明


 チヌカルクル・ノチウ大陸西部 ラキュス湖地方の南部に位置する。
 魔法文明国と両輪の国、科学文明国が混在。
 印暦2191年現在、インターネットの設備がないのは、ネモラリス共和国とスクートゥム王国のみ。
 カニェーツ山脈は、東はポリキクニス王国から西はアーテル共和国に及ぶ長大な山脈。西端のアーテル共和国領南部の辺りはヅープ山脈と称する。
 二千メートル級の山々は、多種多様な鉱物を産出するが、魔物や魔獣も多い。ラキュス湖南地方の国々は、カニェーツ山脈以南に領有権を主張しない。

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■アミトスチグマ王国
 多神教フラクシヌス教国。言語は湖南語と湖東語。
 かつては生粋の魔法文明の王国だったが、印暦2191年現在は魔法使いの割合の高い両輪の国。
 元々は、湖岸に漁労民と平野部で遊牧する牧畜民、平野部の森林付近に狩猟採集民が暮らし、農耕民が居なかった。
 ラキュス湖の水位観測は気象庁が担当する。
 通信事業者保有の湖底ケーブル保守船が待機する。

 国土の大半が大森林に覆われる。
 約六百年前に森の主が退治されるまでは、季節毎に「夏の都」と「冬の都」ふたつの首都で移住した。
 現在は、主に夏の都に定住するが、古い習慣を守って冬季休暇に冬の都へ行く家庭が多い。
 森の主は退治されたが、要の木などがあり、大森林の調査・開発は進まない。

 約五百年前、湖南地方中部の大規模な自然災害と戦乱によって多数発生した難民を受け容れた。
 流入した難民は農耕民で、平野部に定住。牧畜民と軋轢はあったが、食糧生産が飛躍的に向上したことで、現在は隣人として共存する。

 印暦2191年に勃発した魔哮砲戦争によって、多数のネモラリス難民が発生。積極的に受け容れを表明し、大森林を難民キャンプ用地として提供する。
 ネモラリス人が、このまま大森林の開拓民として定住するか未知数。

 部分的に民主制を取り入れ、国王を頂点とした議会があり、国民も政治や行政に参画できる。
 陸の民と湖の民、力ある民と力なき民、長命人種と常命人種が混在する。
 選挙の際は、投票時点の人口比で十一区分に分割し、少数派の票を調整する。
▼十一区分(クリックで画像拡)▼
アミトスチグマ王国の得票配分

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■ポゴニア王国
 多神教フラクシヌス教国。言語は湖南語。陸の民が多い。
 科学文明をそれなりに発達させ、やや魔法文明寄りの両輪の国。
 男性は全員髭を伸ばし、髭が濃い方がモテる独自の文化がある。
 女性も、何かの代表として公式の場に出る際や冠婚葬祭、正月などの盛装で付け髭を用いる。
 付け髭はおしゃれアイテムとして女性に人気だが、男性が使用すると髭が薄いと揶揄されがち。

 旧セリア・コイロス王国。大規模な地震と混乱に乗じたインブリカータ王国の侵攻で滅亡。
 新たにポゴニア王国が興ったが、約百五十年前に民主派が独立し、ステニア共和国を樹立した。
 南部の王党派は、陸路の交通の要衝とサファイアを産する鉱床を押え、小国ながら裕福。
 ラキュス湖に面する領土を失ったことが痛恨の極み。
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■ステニア共和国
 多神教フラクシヌス教国。言語は湖南語。
 科学文明を積極的に発達させるが、やや魔法文明寄りの両輪の国。
 かつてはポゴニア王国領だったが、約百五十年前に民主派が独立。共和国を樹立した。
 国民は、力ある陸の民、力なき陸の民、湖の民がそれぞれ同じくらいで、勢力が拮抗。
 髭は毎朝剃る派。
 ラキュス湖の水位観測は水産省が担当する。

 湖底ケーブルの保守に必要な機器やケーブルを繋ぐ中継器の工場を保有する。
 湖底ケーブルの揚陸地点がある。遙か南の外洋を走る海底ケーブルに接続する主要回線で、湖南地方が世界と繋がる接点のひとつ。険しい山脈を迂回し、ポゴニア王国、ポリキクニス王国など複数の国を経由して、内陸部をリンフ山脈の東に位置するカルサール湾へ抜ける。
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■ガレアンドラ王国
 多神教フラクシヌス教国。言語は湖南語。湖の民が多い。
 旧インブリカータ王国。約五百年前の戦争で滅び、新たにガレアンドラ王国が樹立した。
 科学文明をそこそこ発達させたやや魔法文明寄りの両輪の国。
 金属の鉱床が複数あり、昔から防具の製造が盛んな職人気質の国。
 ラキュス湖の水位観測は国土省が担当する。

 通信事業者保有の湖底ケーブル保守船が待機する。
 ストラージャ湾への湖底ケーブル敷設時には、作業船を保有する企業が、ガレアンドラ王国の産業省を通じて、スクートゥム王国に護衛を依頼した。
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■ポリキクニス王国
 多神教フラクシヌス教国。言語は湖南語。力ある陸の民が多い。
 小さな淡水湖が点在し、白鳥が多数飛来する。
 旧ボスリオキルス王国。約五百年前の戦争で滅び、新たにポリキクニス王国が樹立した。
 その後、西部領が民主化を掲げ、マコデス共和国として独立した。

 かつては生粋の魔法文明の王国だったが、印暦2191年現在は魔法文明国寄りの両輪の国。
 国土の南端にあるカニェーツ山脈は、様々な鉱物を産出し、昔から鉱工業が盛ん。
 科学文明もそこそこ発達させ、湖底ケーブルの保守に必要な機器やケーブルを繋ぐ中継器の工場を保有する。
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■マコデス共和国
 多神教フラクシヌス教国。言語は湖南語。力なき陸の民が多い。
 魔法文明と科学文明を同程度に発達させる。
 北東部の山地にはエメラルドと金、銀の鉱床があり、古くから鉱工業が栄える。

 旧ボスリオキルス王国。約五百年前の戦争で滅び、新たにポリキクニス王国が樹立した。
 ポリキクニス王国西部は比較的、力なき陸の民が多く、湖南地方では逸早く民主化と分離独立を果たした。

 金糸、銀糸の刺繍を用いた魔法の衣服制作や、宝石を用いた魔法の装飾品制作の工房が多い。
 ポリキクニス王国からの独立後は、小国ながら、湖南地方のファッション業界の中心地となった。

 ラキュス湖の水位観測は水軍が担当する。
 通信事業者保有の湖底ケーブル保守船が待機する。

 多国籍企業リベルタース国際貿易株式会社の本社がある。社是は“貧困からの自由を目指す”。
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■ラニスタ共和国
 一神教キルクルス教が国教の科学文明国。言語は湖南語。
 力なき陸の民8割、力ある陸の民2割。湖の民は極少数。
 国教はキルクルス教だが、フラクシヌス教の神殿は廃止されず、残存する。
 印暦2194年、民主化二百周年を迎える。
 北部の湖岸に主要都市ジンクムがある。

 南部のカニェーツ山脈には、亜鉛とニッケルの鉱床がある。
 僅かに居住する力ある陸の民や湖の民を警備員として雇い、軍も投入して細々と採掘を続ける。数年前、遠隔操作できる小型採掘機を導入し、作業員の捕食被害が大幅に減少した。

 半世紀の内戦では、アーテル地方のキルクルス教徒に武器を供与し、独立を支援。自国は特段の被害を受けることなく、武器の売買で多額の利益を得た上、目論見通り、隣にキルクルス教国を樹立した。

 キルクルス教原理主義組織「星の標」の本部がある。
 キルクルス教徒が増えても、魔法使いへの迫害は、長らく発生しなかった。力ある民が居なければ、実体のない魔物から身を守れない為だ。
 隣のラキュス・ラクリマリス共和国で半世紀の内乱が勃発し、アーテル党から追放された過激派「星の標」が逃れて来るまで、平和な共存が続いた。

 少数ながら魔法使いも居住するが、テロの標的になりがち。
 魔法使いのラニスタ人は、主に漁業や貨物船の操船、魔物や魔獣の駆除、力なき民でも使える呪符や、【魔除け】の敷石など、安全関連の資材製造などに携わる。

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■アーテル共和国
 旧ラキュス・ラクリマリス共和国から分離・独立したキルクルス教国。
 政体は民主主義、完全な科学文明国。力ある陸の民と湖の民はランテルナ島の自治区に隔離する。
 南部は魔物が多く、人が住めない。
 カニェーツ山脈西端のアーテル領南部は、ヅープ山脈と称する。
 旧ラキュス・ラクリマリス共和国時代までは、力ある民や湖の民が鉱山資源を採掘したが、公式に魔法使いを雇えない現在は廃鉱となった。
 キルクルス教を国教とする科学文明国の為、魔物から身を守れる魔道機船がなく、港湾設備もない。
 空路と陸路で他地域と繋がる。

 【首都ルフス】
 かつてアーテル地方最大の都市だった。独立後、アーテル共和国の首都になった。
 キルクルス教は学問を奨励する為、大学などの教育機関が充実。
 キルクルス教の教義を研究・教育するルフス神学校がある。

 【イグニカーンス市】
 旧ラキュス・ラクリマリス王国時代には、南ヴィエートフィ大橋でランテルナ島を経由し、ネーニア島とアーテル地方を結ぶ交通の要衝だった。
 集中的に予算を投入され、半世紀の内乱による荒廃から早い時期に復興を果たした。
 ランテルナ島と南ヴィエートフィ大橋で結ばれており、それなりに行き来がある。
 キルクルス教原理主義団体「星の標」の支部があり、その活動は市民の日常風景となる。
 東部にアーテル空軍のイグニカーンス基地がある。

 【スークス市】
 スクートゥム王国との国境付近ストラージャ地方の平野部で、気候が安定し、電波干渉が少ない地点に位置する。
 スークス通信衛星アンテナ基地の保守管理の為に作られた都市。
 電話及びインターネット回線の要衝地で、通信関連の企業が集積する。
 このアンテナ基地は、アーテル共和国唯一にして最大。静止衛星との間でデータを送受信。この基地から、アーテル各地へ交換局や中継局を経由して送受信される。
 アーテル領内では、静止衛星からの電波を受信するのに最も適した座標だが、都市部から遠く離れ、人間より野生動物や魔物の方が多い土地で生活が不便な上、常に捕食の危険が付きまとう。
 

 【アクイロー基地】
 空軍基地。
 バンクシア共和国やバルバツム連邦から破格で購入した中古の無人機を多数配備した。
 ネモラリス軍の反撃によってその大部分を失ってからも、訓練基地として活用する。

 【フリグス基地】【ベラーンス基地】【テールム基地】
 周辺の農村や小都市を魔獣の襲撃から護る陸軍の治安部隊が中心。
 魔獣にも有効な銀の弾丸や砲弾、剣などを装備する対魔獣特殊作戦群を擁する。
 装備品が高価な為、魔獣と戦える兵員は少ない。

▼アーテル共和国の領域▼
ラキュス湖南地方の地形図 アーテル軍の主要基地 印暦2191年の地図
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■スクートゥム王国
 アーテル共和国の西隣の国。言語は湖南語。
 陸の民と湖の民は約半数ずつ。フラクシヌス教を国教とする魔法文明国。
 電気、ガス、水道、電話、インターネットなどの力なき民が必要とするインフラは一切ない。
 防人たちが建国した古い王国で、この王国が結界を維持するお蔭で、強い魔物が湖南地方に侵入できない。

 隣国だが、アーテル共和国とは国交がない。
 ネモラリス共和国やラクリマリス王国など、両輪の国や魔法文明国とは国交がある。
 陸路での東進は、強い魔物や魔獣が多い為、ストラージャ湾経由で湖上を行く方が安全。
 フナリス群島の聖地へ巡礼する魔道機船の定期便があり、聖地経由でフラクシヌス教徒の多い他国とは交流が盛ん。

 スヴェート河を境にラキュス湖西地方と接する。
 湖西地方は、魔物の勢力が強く人間が住めない土地。かつてあった人間の国々は古代に全て滅びた。
 遺跡の探索に行く者や彼らを相手にする商売人が、小さな集落を作ることもあったが、それらはすぐに消えてなくなる。

 スヴェート河には結界が張られ、スクートゥム王国は二千年以上もの長きに亘り、魔物の陸地からの侵入を防ぐ。
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