■06.ラキュス湖南地方 印暦2191年の地図(2019年08月25日改)
【図1】ラキュス湖南地方
【図2】湖南の島々
【図3】湖南の島々 都市
地図の説明
【図1】ラキュス湖南地方
ラキュス・ラクリマリス共和国が、半世紀の内乱後、三カ国に分裂した。
◆図中の紫
旧王家ラクリマリス家を戴き、王制復古したラクリマリス王国。
ネーニア島の南半分とネーニア島の南東に散らばるフナリス群島を保持する。
元の王家を含め、住民の六割が力ある民。力なき民は一割。湖の民は三割。
ラクリマリス王家は銅山を死守し、経済的な優位を保っている。
◆図中の赤
アーテル党を第一党とするアーテル共和国。
湖の南岸アーテル地方と、ランテルナ島を得た。
住民のほとんどが、魔力を持たない陸の民……「力なき民」で、一神教のキルクルス教徒。アーテル地方の民は、キルクルス教国として独立した。
旧ラキュス・ラクリマリス王国とそれに続く共和国は、多神教であるフラクシヌス教を国教としていた。
王家及び旧政府とは宗教的に対立していた為、アーテルの民は、信仰を勝ち取った喜びに湧いている。
◆図中の緑
ネモラリス共和国。
ネーニア島北部と、その東に浮かぶ森の島ネモラリスを領し、湖東地方への玄関口を押えた。
住人の七割がフラクシヌス教徒の湖の民。
三割の陸の民の大半は、魔力を持たない力なき民。その約半数を占めるキルクルス教徒は、摩擦を避ける為、リストヴァー自治区に移住させられた。
陸の民の内、多神教のフラクシヌス教徒や、力ある民は、自治区外での居住を許されている。
【図2】湖南の島々
ネーニア島の南半分は、ラクリマリス王国。
クブルム山脈が国境。
ネーニア島の北半分は、ネモラリス共和国。
【図3】湖南の島々 都市
「すべて ひとしい ひとつの花」(外部サイト小説家になろう)によく登場する都市。
人種と民族、宗教
チヌカルクル・ノチウ大陸西部 ラキュス湖地方の南部に位置する。
ネモラリス共和国は、魔法文明寄りの両輪の国。
南隣りのラクリマリス王国は、ほぼ魔法文明国。
湖の民と、陸の民が混在している。
湖の民はほぼ全てが、魔力を持つ力ある民。
陸の民の一部は、魔力を持たない力なき民。
魔力の有無は遺伝。
陸の民と湖の民の間に子供は生まれない。
陸の民同士なら、力なき民と力ある民の間にも、子孫を残せる。
ラキュス湖南地方では混血が進み、家族や親戚の中に、力ある民と力なき民が混在する家も多い。
力なき民に長命人種は居ない。
フラクシヌス教徒と、キルクルス教徒が混在。
【フラクシヌス教】
ラキュス湖の成立神話を柱とする多神教。
ラキュス湖南地方で古くから信仰されている。信者数も多い。
フラクシヌスの聖地は、フナリス群島にある。
大樹フラクシヌスは、
フナリス群島以外では、主神のフラクシヌスより、湖の女神パニセア・ユニ・フローラ信仰が篤い。
魔法使いには、飲酒の習慣がない。
フラクシヌス教の戒律ではなく、酩酊状態では魔力の制御が覚束なくなる為、自らを律して酒を口にしない。
【キルクルス教】
聖者キルクルスの教えを絶対とする一神教。印暦紀元後にアルトン・ガザ大陸で生まれた宗教。
聖者キルクルスは、三界の魔物が滅びた後に始まる「魔力のない世界」を智で導く聖者。
科学文明を奨励し、魔法を危険な力と看做す。主に魔力を持たない人々が信仰。
星々は必ず、天の決まった道を通り、その道を逸れることはない、と説く。
象徴は「星の道」と呼ばれる 聖なる星の道の円。
信者は、虚空に「星の道」を表す楕円の聖印を描いて祈りを捧げる。
科学文明国向けの宗教なので、湖南地方では少数派。
湖南語で教えられているが、宗教上の公用語は共通語。
印暦2191年頃の文明・技術など
【電気】
ラキュス湖周辺には魔物が多いので、送電網・通信網の整備がなかなか進まない。
電力は、一都市や街区毎の小規模発電や、建物単位の自家発電が多い。
魔物が多く、送電線を設置できない地域がある為、大規模な発電をしても長距離の送電ができない。
かつては、【魔道士の涙】を使った発電所があったが、現在は人道上の観点から廃止されている。
魔法文明国は、そもそも電力が必要ない。
魔法に重きを置く両輪の国でも、重視されていないので、普及は限定的。
【放送・報道】
多くの魔法文明国や、魔法に重きを置く両輪の国では、テレビ放送が普及していないか、整備が遅れている。
ネモラリス共和国とラクリマリス王国にはテレビがなく、新聞とラジオは普及している。
アーテル共和国やラニスタ共和国など、科学文明国と一部の両輪の国には、テレビ放送が普及している。
【通信】
固定電話は、都市間のみ普及している。
魔物が多く、電話線を設置できないので、人口の少ない地方の集落にはない。
ネモラリス共和国には、固定電話はあるが、携帯電話はない。
科学文明国と一部の両輪の国には、携帯電話が普及している。
ネモラリス共和国とラクリマリス王国では、大企業にはコンピュータがあるが、科学の先進国から見ると半世紀遅れの年代物。当然、インターネットはない。
アーテル共和国やラニスタ共和国など、科学文明国と一部の両輪の国には、インターネットも普及している。
有線回線は、電気・電話同様の理由で、あまり普及していない。
【経済】
魔法文明圏には、元々、貨幣経済はなく、自給自足による物々交換が主だった。
魔法使いたちは貨幣に価値を見出さず、株式や先物、外国為替といった相場にも無頓着。
ラキュス湖南地方や湖東地方では、力なき民の為に一応、通貨を制定し、売買などに貨幣を用いている。
【鉄道】
電力などと同じ理由で、湖南地方では、鉄道網も整備が進まない。
魔法文明国では必要ない。
魔法に重きを置く両輪の国では、重視されていないので、大都市間のみ普及している。
【船舶】
魔法を動力とする魔道機船で、魔法使いが動力室で魔力を供給しなければ、動かせない。
手漕ぎの木造船は小さく、輸送力は微々たるもの。
飢えた魔物がラキュス湖を徘徊している。湖の民など、【魔除け】の術を使える者が同乗していなければ、魔物の餌食になってしまう。
ラキュス湖周辺の科学文明国は、魔物の襲撃から身を守る手段がない為、船舶を保有していない。
魔道機船で湖の沖へ出る漁法には、かなりの技術と魔力が必要。
内戦中、多くの漁船と造船技術者、能力の高い漁師が失われた。
【航空機】
空の上にも魔物は居るが、湖より数が少なく、航空機の速度には追い付けないモノが大半。
バードストライクや、それに類する事故ならあるが、滅多に墜落事故は起きない。
湖南地方の科学文明国と、科学に重きを置く両輪の国では、民生、軍用共に保有数が多い。
船舶や鉄道、自動車などは、魔物に襲われ易いので、遠距離の利用は航空機を使った方がマシ。
線路上では逃げられず、大量輸送するとそれだけ被害が大きくなるので、個別に逃げやすい自家用車の利用が多い。
両輪の国では、車両用の護符もあるが、数は少ない。
魔法文明国では、必要ないので保有していない。
魔法に重きを置く両輪の国でも、軍用は少数ながら、保有している。
【軍備】
ネーニア正規軍の軍服は、魔法使い用の鎧で、【衝撃吸収】【耐火】【魔除け】などの術が、常時発動する。機関銃程度なら、ゼロ距離から撃たれても問題ない。
多少、炎に巻かれても、火傷することはない。有毒ガスを吸いさえしなければ、火災の現場も耐えられる仕様。