いまいち萌えない娘の説明3 B案で行こう
B案
これも、ミスプリントのコピー用紙の裏。
この時点で納会が始まっていて、別室では宴会モードに突入していました。
次長は別件で他部署へ、日勤で残業の私と夜勤で通常業務の他数名は納会に顔を出さず、仕事続行です。
何故、年末のギリギリの時間に急ぎの仕事を……専門学校などの冬休みがどうなっているのか不明ですが、言われて引き受けたからには、とにかくイラストを仕上げるしかありません。
夜勤の職員数名にどちらがいいか聞いてみたところ、満場一致で「こっち(B案)の方がえぇなぁ」と言われました。
「アニメっぽい塗り方ってどうやればいいんですか?」などと他の人に意見を出してもらったり、参考資料を調べてもらったりしつつ、ちょこちょこ修正。
おなかがすいてたまらんのですが、仕事が終わらなければ帰れません。
「同じ部署に“昔、漫画家のアシスタントだった記者”がいる」という情報が入り、さらにヤル気が削がれる事態が発生。
「えっ……? そしたら私やのぅて、Gさんに描かしたらよかったんちゃうんですか?」
「いやーでも、触れてえぇ過去かどうかわからんからなぁ」
作品名で検索したところ、ガチムチな感じの劇画でした。
この人が何故そんな過去を把握していたのか、聞きそびれました。
「でも、劇画でも、漫画の絵ぇ描いとったんやったら、萌え絵も描けますよね?」
「いやーどうやろなー……本人、嫌がるかもしれんし」
「いや、あの、私、もっと無理なんですけど……」
「まぁ、どの道、今日は取材でおらんしなぁ」
居ない者は仕方がないので作業続行です。
更に後日、デイリースポーツに“ちゃんと萌え絵が描ける元アニメーター”が居ると知ってグギギ……となりました。別会社だから、頼んでも断られた可能性は高いですが。