野茨の環シリーズ用語解説(2016年02月07日追加)

野茨

  • 【野茨の血族】
  •  建国王カレソー・フォーツーニ・ロサ・ムルティフローラ・アダ・オーランティアカ・ロカスタの血に連なるムルティフローラ王族のこと。
     建国王は、自らの子孫を封印の維持の為に差し出した。
     野茨の血族は、一部の例外を除き、桁違いに強い魔力を持っている。
     王家の血を引く者は、身体のどこかに王家の紋章である野茨の痣がある。

    ▼巴家を中心とした家系図。
    梅より後の世代の野茨の血族は、呪いの影響を受けている。

     野茨の血族は、10歳になると試験を受ける。城に聳える【右の塔】に登る。
     城の中庭に聳える左右の塔は、ムルティフローラ国民なら常識として知っている。
     塔の入口の扉は、王家の血筋に反応する。野茨の血族でない者は、どれ程腕力や魔力が強くても、開けられない。
     塔内には100枚の扉がある。こちらは魔力に反応して開く。上層程、強い魔力を必要とし、70枚以上開けられなければ、野茨の血族であっても、王族とは認められない。

     封印の監視者として王家を創設した。
     建国王の家系が選ばれた理由は、強い魔力を持つ他、【三界の魔物】を検知する能力を持つ為であった。
     【三界の魔物】は、核の位相を物質界、幽界、冥界のいずれかにずらして隠す。
     三界を同時に視る事が出来れば、容易に発見できる。
     この眼はまた、人がどの位相に近いか視る事で、死期を測る事もできた。
     この能力を【三界の眼】と呼び、その血統を絶やさぬよう、現在でも厳重に管理されている。

     王族を家紋で呼ぶと、全員が「野茨様」になってしまうので、個人の徽で呼ぶことになっている。
     【三界の眼】の能力者は、徽に「黒」を冠する仕来りがある。
     ムルティフローラ王家でも、【三界の眼】を持つ者は、稀にしか生まれない。
     【三界の眼】の王族は、何者にも染まらぬよう、黒い動物が徽に定められる。

  • 【右の塔】
  •  ムルティフローラ城中庭東側の塔。
     中庭は城の中央。石畳が敷き詰められた足下に、巨大な魔法陣が描かれている。
     突き当り左右の隅に、20階建て相当の塔が聳え、その中間に花壇に囲まれた石碑が建っていた。

     入口の扉は、王家の血筋に反応して開く。王家の紋章が描かれた両開きの扉。
     王家と無縁の者には、どんなに力があっても開ける事はできない。
     内部の扉は魔力に反応して開く。
     塔の内部は、灰色の石壁に囲まれた狭い部屋。正面の壁にまた扉がある。
     上に行く程、開閉には強い魔力が必要で、全部で100枚ある。

     70枚で王位継承権、95枚で【三人の巫人】の資格が与えられる。
     例:黒山羊の王子は92枚開けられたが、政治と経済、政晶は、1枚も開けられなかった。

  • 【三人の巫人】
  •  【右の塔】の扉を95枚以上開き得る最も強力なムルティフローラ王族。
     【右の塔】最上階に住み、結界に魔力を注ぐ。
     死後もその魔道士の涙は右の塔に残される。

  • 【三界の眼】
  •  【三界の魔物】を検知する能力。その能力者の称。
     物質界、幽界、冥界の三界を同時に視る事が出来る。
     人がどの位相に近いか視る事で、死期を測る事もできる。
     強い思いも視覚化され、検知できる。
     人が大勢いる場所では、美醜、清濁、善悪、全てが入り混じった混沌が視える。
     その人が何を考えているか、内容まで読める訳ではない。

     この能力を【三界の眼】と呼び、その血統を絶やさぬよう、現在でも厳重に管理されている。
     ムルティフローラ王家でも、【三界の眼】を持つ者は、稀にしか生まれない。
     【三界の眼】の能力者がいない空白期間は、建国王の剣同様、「涙」に魂と力を封じた「過去の三界の眼」を借りる事で代用する。
     建国王の剣を手にすれば、その【三界の眼】の視力を使う事が出来る。

  • 封印と追儺
  •  盆地の中央に位置するムルティフローラの王都。その中心に聳える城。
     城全体が立体構造の複雑な魔法陣で、城壁に囲まれた王都もまた、魔法陣。
     国土全体が巨大な魔法陣を形成し、幾重もの魔法陣の最外周が、山脈だった。
     ここに封じられた【三界の魔物】は、あまりにも強大な為、僅かずつ核を縮小させる他ない。
     王都を中心とした国土全体から、封印の魔法陣に力が注がれている。

     【三界の魔物】は封印されて尚、瘴気を撒き散らす。
     その穢れを祓う為、毎年冬に国内全ての家々が入念に清められ、追儺の歌が歌われた。
     日々の営みの中で溜まった穢れ、心の澱みをも祓い清め、【三界の魔物】の瘴気を浄化する。

     毎年、年末になると、官吏は全ての業務を休止し、総出で城の大掃除をする。
     城に張り巡らされた結界の点検や、物理的な汚れの除去の後、追儺の呪歌を歌い、霊的な穢れも祓い清める。
     城内だけでなく、王都全体、辺境の小村に至るまで、家々では汚れと穢れを清め、【三界の魔物】を弱体化させる。
     王城の地下深く、封印の間では追儺の儀式が行われ、国内で最高の力を持つ者達が直接、【三界の魔物】を削る。

     棺を中心に追儺の儀式が行われる。
     主に【三人の巫人】と【鍵の番人】【凍てつく炎】と他数人の導師達が実行。
     ある者は楽器を奏で、ある者は魔力を込めた歌を朗々と詠じ、またある者はその手に建国王の実弟の剣を携えて舞う。
     封印の間に満ちていた禍々しい瘴気が剣に断ち切られ、呪歌と楽の音に触れ、霧消する。

     今を生きる人々の生命力と魔力、亡くなった人々の【魔道士の涙】に残る力。
     それらを総動員し、12人の強力な術者が協力してやっと、一度だけ、最大最強の【三界の魔物】の核を滅する追儺の術を発動し得る。
     力の充填に約1年の時間が必要で、その間に瘴気も蓄積してしまう。

     封印の最外周である山脈にも、祓いきれなかった穢れが到達する。
     数年に一度、溜まった穢れを祓う事が、建国王の役割のひとつだ。

     毎年の追儺で僅かずつではあるが、核は縮小している。
     何千年の後になるやらわからぬが、必ず滅する事はできる……筈。
     完全に消滅させるには、何千年の歳月を要するのか、誰にもわからない。

  • 【封印の導師】
  •  ムルティフローラの建国と【三界の魔物】の封印に携わった者人々の内、ムルティフローラの王族ではない者。

     十数人の導師が、封印の術に自らの全存在を組み込んでいる。
     存在そのものが封印の術に組み込まれ、2000年以上の長きに亘ってこの世に留まっている。
     三界の魔物の監視と封印の維持管理、王家の血統の保存を行う。不在の折は過去の三人の巫人が代役を果たす。

     生きているとも、死んでいるとも言えない状態でこの世に留まり、ある者は能動的に、またある者は街の防護の結界、或いは山など自然の地形となり、その場所から先へ【三界の魔物】を逃さぬよう、幾重にも守っている。
     例えば、鍵の番人は人の形を保ち、能動的に活動する。国土を囲む山脈となった騎士ヒルトゥラは、後者だ。

     【鍵の番人】……【飛翔する梟】の呪医。基本的に左の塔に居る。相手と状況に応じて、子供の態度と長老の態度を使い分けるヤな大人。7歳前後のちびっこに見える。男性。

     称号のない導師……城の中庭の石碑に括られた湖の民。【鍵の番人】の師。

     【凍てつく炎】……基本的に地下室に居る。封印の監視と、野茨の血族の血統管理などを行っている。

     【慈悲の谷】……【贄刺す百舌】の儀式魔術の研究者。普段は山脈の最も深い谷の祭壇に居る。山脈で道に迷った死者と生者をまとめて、主峰の祭壇に連れて来る。30代前半くらいに見える。女性。

     【欺く道】……【歌う鷦鷯(ミソサザイ)】の音楽家。追儺の儀式を構築し、穢れを祓う呪歌を創り出した。山脈に届く穢れを集め、王都の北に聳える主峰の祭壇に蓄積する。50代くらいに見える。男性。

     【主峰の心】……騎士ヒルトゥラ。ムルティフローラの国土を囲む山脈となった。現在は成人式係。中年男性。背が高く、筋骨逞しい偉丈夫。魔法の鎧に身を固め、大剣を背負った姿で現れる。

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